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診療報酬・調剤報酬 薬剤師 薬局経営者 2025.09.26 公開

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【2025年最新】連携強化加算の算定要件を解説

薬局を取り巻く環境が大きく変化する中、地域医療における薬局の役割はますます重要性を増しています。この記事では、調剤報酬改定を踏まえた最新の「連携強化加算」の算定要件や施設基準、届け出の流れについて詳しく解説します。薬局としてどのように対応すべきかを整理し、制度の本質を正しく理解しましょう。

※本内容は公開日時点の情報です

#医療政策

目次

連携強化加算とは

連携強化加算とは

「連携強化加算」とは、地域の医療提供体制を支える薬局の役割を評価するため、2022年度の診療報酬改定により新設された制度です。新型コロナウイルス感染症流行で医療提供体制の脆弱性が浮き彫りになったことを背景に、災害や新興感染症発生時においても安定的に医療を提供できる体制の構築を目的としています。かかりつけ機能を有する薬局が、地域の中核機能を担い、非常時の対応力を強化することが求められています。

出典:令和6年度診療報酬改定の概要【調剤】(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001238903.pdf

2024年度調剤報酬改定における算定要件の変更点

2024年度の調剤報酬改定では、連携強化加算の制度設計に大きな変更が加えられました。この変更により、薬局がより取り組みやすく、実効性の高い制度へと進化しています。

主な変更内容

  • 加算点数の引き上げ:従来の2点から5点に引き上げられ、調剤基本料に対する加算として独立しました。
  • 地域支援体制加算の該当要件は廃止:地域支援体制加算の届け出が不要となり、算定へのハードルが下がりました。
  • オンライン服薬指導の必須化:オンライン服薬指導の体制整備が施設基準に明記され、ICTを活用した継続的な医療提供が評価されるようになりました。実際にすべての薬局でオンライン服薬指導を行う義務はありませんが、体制を整えておくことが算定の要件となります。

この変更は新興感染症発症時や災害時に対応できる薬局の評価として要件が見直されたものです。

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出典:「『感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律』の 一部の施行等について(通知)」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/001102407.pdf

連携強化加算の算定要件の詳細

ここからは、連携強化加算を利用するための要件を解説していきます。

算定要件

連携強化加算は、災害や新興感染症といった非常事態に備え、対応できる体制を整備している場合に、他の薬局・医療機関・都道府県と連携している薬局が、受け取れる加算制度です。日頃から連携体制を構築し、有事に備えている薬局の取り組みを経済的に評価する仕組みといえます。

この連携体制については、薬局だけでなく、所在地の行政機関や薬剤師会のホームページなどで広く周知しておかなければなりません。また、「調剤基本料1・2・3」を算定する薬局が算定可能であり、点数は5点です。ただし、「特別調剤基本料A・B」を算定する薬局は、本加算を算定することはできませんので注意が必要です。

施設基準

施設基準では、以下の3つの主要な要件をすべて満たす必要があります。

(1)第二種協定指定医療機関であること

「感染症法第六条第十七項」に規定される第二種協定指定医療機関とは、都道府県知事から指定を受けた医療機関のことです。感染症の流行時に自宅療養者などへ医療を提供する役割を担っており、薬局として指定を受けるには、以下の体制整備が求められます。

  • 感染症に関する年1回以上の研修受講
  • 感染症発生時、患者宅に薬剤を提供する体制の整備
  • 個人防護具の備蓄
  • 要指導薬・OTC医薬品・検査キットの確保と提供体制の整備
参考資料:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=79998826&dataType=0&pageNo=1

(2)災害発生時の連携体制

災害時は、他の薬局や自治体と連携し、医薬品の供給や人員派遣ができる体制を整備する必要があります。具体的には以下のとおりです。

  • 災害発生時における医療提供に当たっての研修・訓練へ参加
  • 避難所・救護所等への医薬品供給体制
  • 近隣の保険薬局と連携して夜間・休日を含めた開局時間外対応の確保
  • 薬局の体制や対応について、状況に応じた手順書の作成
  • 体制内容の地域住民や行政への周知(薬局HP等を含む)

(3)オンライン服薬指導の実施体制

薬局がオンライン服薬指導を実施するためには以下の取り組みが必要です。

  • 厚労省の「オンライン服薬指導の実施要領」に準拠した通信環境の整備
  • 薬剤師へのオンライン服薬指導に関する研修実施
  • サイバーセキュリティ体制(チェックリストやマニュアルを活用)

上記3要件は、連携強化加算を算定するうえで欠かせません。感染症や災害といった非常時にも薬局が地域医療を支え続けられるよう、平時からの備えが求められます。

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連携強化加算の届け出

連携強化加算を算定するには、地方厚生局への届け出が必要です。提出書類は「様式87の3の4」に基づいて作成し、所定の添付資料とあわせて提出します。ご自身の薬局のみでは満たせない項目もあるため、地域の薬剤師会や地方公共団体と連携を取って施設基準を満たすように取り組むことが必要です。

また、第二種協定医療機関の指定や、オンライン服薬指導の体制確保など、時間のかかる項目もあるため、計画的な準備が大切です。

連携強化加算とは
出典:「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(厚生労働省)
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/iryo_hoken/santei/000330135.pdf

まとめ

連携強化加算は、地域の薬局が果たすべき役割の変化に対応するための重要な制度です。災害や新興感染症に向けた体制整備や連携強化加算の活用は、薬局の価値向上に直結します。

算定要件にも設定されている「オンライン服薬指導の実施体制整備」。弊社では、体制整備を支援する「連携強化加算サポートパック」をご提供しています。Wemex オンライン服薬指導や連携強化加算サポートパックにご興味のある方は、ぜひお気軽に下記のページよりお問い合わせください。

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著者情報

榊原 布尚(さかきばら のぶなお)

榊原 布尚(さかきばら のぶなお)様

薬局経営者&Web ライター。薬剤師免許取得後、病院で4年間、調剤薬局で6年間勤務。
その後、M&Aにて調剤薬局を買収し独立。現在は、薬局経営を行いながら「薬剤師に保険調剤以外の働き方を!」というテーマのもと、これまで得た薬局管理の知識や薬の情報などを発信している。


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