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クリニック開業 医師 事務長 2025.10.23 公開

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医師の副業ガイド|おすすめの具体例・見つけ方・経費まで解説

日々多忙でありながら、思うほど伸びない収入に副業を検討している医師は少なくありません。しかし、副業に関する正しい知識がないまま始めてしまうと、労働時間の上限違反や就業規則違反により、職場でのトラブルに発展する可能性があります。本記事では、医師が副業を始める際の法的条件や注意点、具体的な6つの副業などを詳しく解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

#開業検討 #業務効率化

目次

医師は副業しても問題ない

医師は、原則副業をしても問題ありません。2024年4月から施行された「医師の働き方改革」により、時間外労働の上限が年間960時間と定められました。本上限は、すべての勤務医に適用されるA水準の基準値です。

ただし、研修医と公務員医師は以下の法律に基づき、原則副業はできません。

  • 研修医:医師法に基づき臨床研修に専念する義務があるため
  • 公務員医師:国家公務員法・地方公務員法により兼業が制限されている
医師は副業しても問題ない

そのほか、勤務先の就業規則に「副業不可」と明記されている場合も副業はできません。就業規則の内容は医療機関によって異なるため、副業を始める前に必ず人事部門や総務部門に確認しましょう。

時間外労働の上限について確認したい方は「医師への影響は深刻?働き方改革の実態と事例を徹底解説」の記事をご覧ください。

医師が副業をする理由

医師が副業をする理由は、勤務医と開業医で異なります。立場によって、収入面や働き方、キャリア形成などに関するニーズが異なるためです。ここでは、勤務医と開業医それぞれの副業理由について解説します。

勤務医の場合

勤務医が副業をする主な理由は、収入を増やすためや勤務先からの指示、スキル向上のためが挙げられます。とくに大学病院などの基幹病院に勤務する医師は、地域医療を支えるための副業・兼業を強いられているのが実態でしょう。

日本医師会の「医師の副業・兼業と地域医療に関する日本医師会緊急調査(2019年12月実施)」(https://www.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20200129_11.pdf)では、上記3点の目的をはじめ、勤務の副業に関する意見が報告されています。

開業医の場合

開業医が副業をする主な理由は、収入を増やすためや、現状とは違う形で社会貢献を実現したいためなどが挙げられます。

とくに、開業当初は患者数が安定せず、自院の収入だけでは経営難の場合があります。キャッシュフローを維持する目的で非常勤医師として他院で勤務したり、健康相談などの副業を行ったりするケースは珍しくありません。

一方、自院の経営が軌道に乗った場合は、収入目的ではなく社会貢献を目的とした副業に着手する医師もいます。

たとえば、産業医として企業の健康管理に携わったり、講演活動を通じて医療知識を広めたりと、自身の知見を活かして医療以外の分野で活動を広げるパターンなどです。

医師が取り組みやすい副業6選

医師の専門知識や経験が活きる副業は複数あります。ここでは、医師が取り組みやすい副業を6つ紹介します。

非常勤医師

非常勤医師は、医師だからこそできる副業の第一候補に挙げられます。他の医療機関で診療すれば、本業とは異なる環境での経験を積めます。週末や夜間など自分の都合にあわせやすい求人を探せば、それほど負担なく取り組めるでしょう。

ただし、本業との時間外労働の合計が年間960時間を超えないように、スケジュールの調整は必須です。

時給の相場は1万円前後ですが、地域や診療科によって変動します。将来、独立開業を検討している場合、顔の見えるネットワーク構築にも役立ちます。

オンライン診療・健康相談

オンライン健康相談は、インターネットを通じて患者さんからの健康相談に応じる副業です。デスクワークのため、身体的な負担をかけずに取り組める点が特徴です。

プラットフォームを利用すれば効率的に稼働できるため、空き時間を活用できる柔軟性の高い副業といえます。

時給は数千円から1万円が相場です。オンラインの活用は国としても普及させる動きがあるため、将来的に活躍の場を広げられる選択肢の1つです。自宅で対応できる案件もあるため、条件が合えば育児中の医師にも適しています。

スポットアルバイト

スポットアルバイトは企業の健康診断など、短期的に医師が必要とされる場面で働く副業です。年齢や経験が不問の案件も多く定期的な勤務ではないため、本業の負担にならずに取り組めます。スポットアルバイトは企業の健康診断など、短期的に医師が必要とされる場面で働く副業です。年齢や経験が不問の案件も多く定期的な勤務ではないため、本業の負担にならずに取り組めます。

医師専門の人材紹介会社や求人サイトで、さまざまな求人情報を見つけられます。数時間から1日単位設定の案件が多く、スケジュールの調整は比較的容易な副業です。時給は数万円、交通費は別途支給のケースが大半を占めます。

健康診断のほか、予防接種や検診業務などの案件もあり、診療科を問わず取り組みやすい点も魅力です。

講演・セミナー講師

医師の専門知識を活かし、一般市民や企業の従業員に向けて健康や医療に関する講演を行う副業です。学会発表の経験がある医師であれば、比較的取り組みやすい副業といえます。

同じテーマで複数回講演すれば、準備の手間や負担を軽減させながら取り組めます。また、自分の専門分野をアピールする機会にもなり、知名度向上にもつながるでしょう。

相場は、1時間当たり10万円から30万円程度です。ただし、謝礼金は講師自身の知名度や専門性により変動します。また、企業研修や市民講座など、依頼元によっても報酬額は異なります。

往診代行

往診代行は、在宅診療クリニックや訪問診療専門クリニックに代わり、患者さんの元に訪問する副業です。とくに夜間や休日の緊急対応ができる医師は重宝されます。

オンコール代行を提供しているサービスの求人を選べば、応答の負担を軽減しながら本業との両立が可能です。

報酬は呼ばれた件数による従量課金制と月額制で異なります。料金にも幅があるため、複数のサービスを比較し条件に合ったところを選択しましょう。高齢化社会により、在宅医療のニーズは今後も高まると予想されます。

在宅ワーク

在宅ワークには、記事執筆・監修や医療翻訳などがあります。それぞれの内容と相場は以下のとおりです。

種類 内容 相場
記事執筆・監修 医療メディアやウェブサイト向けの記事執筆や内容のチェック 1記事当たり3万円から5万円
医療翻訳 海外の医学論文や製薬会社の資料などを翻訳 1文字当たり30円から35円

空き時間を利用してパソコン1台あれば取り組めるため、場所や時間を選ばない点は大きなメリットです。また、継続的に依頼を受けられれば、安定した収入源にもなります。

副業の具体的な見つけ方

医師が副業を見つける方法は、目的や希望する働き方によって異なります。ここでは、3つのパターン別に効果的な副業の探し方を紹介します。

副業の内容を比較したい場合

求人サイトやエージェントへ登録すると、複数の案件から自分にあった副業を選択しやすくなります。

医師専門の求人サイトでは、勤務地や診療科、勤務時間などの条件で検索できるため、効率的に希望の案件を見つけられます。

エージェントを利用すれば、専任のコンサルタントが希望条件をヒアリングし、案件の提案や報酬・勤務条件の交渉も代行してもらえるため、初めて副業をする医師でも安心です。

複数のサイトやエージェントに登録しておけば、より多くの選択肢から比較検討できます。また、非公開求人を紹介してもらえる可能性もあるため、好条件の副業に出会える機会が広がります。

現在の延長線上の副業を探したい場合

医局からの派遣であれば、すでに関係性がある医療機関で働くため、環境に馴染みやすく安心して副業を始められます。また、勤務先の上司や先輩医師に相談すれば、信頼できる副業先を紹介してもらえる可能性があります。

とくに地域医療に貢献したい場合や、特定の診療科での経験を積みたい場合には、医局や知人のネットワークを活用するのが効果的です。

なお、紹介を受けた場合でも働き方改革の上限に達しないよう、時間管理については丁寧に確認する必要があります。

やりたい副業が明確な場合

働きたい医療機関や興味のある企業が決まっている場合、直接の連絡によって求人サイトに掲載されていない機会を得られる可能性があります。

たとえば、オンライン診療を提供しているプラットフォームや健康相談サービスを運営する企業に直接問い合わせれば、自分の希望に合った働き方を提案してもらえるかもしれません。講演やセミナー講師の仕事であれば、興味のあるテーマを扱う団体に売り込むのも有効です。

直接アプローチする場合は、自分の専門性や経験を明確に伝えることが重要です。履歴書や職務経歴書を準備しておくと、スムーズに話を進められます。

医師が副業を始める前に確認すべき2つのポイント

医師が副業を始める前に確認しておくべきポイントが2つあります。守らなければ、法的な問題や職場でのトラブルに発展する可能性があるため、事前に目を通しておきましょう。

ポイント1.時間外労働の上限

医師の働き方改革で時間外労働の上限が設けられているため、自身が該当する区分(A・B・C)を確認し、副業に充てる時間を明確にしましょう。たとえば、週20時間副業すると年間1,000時間になり、A水準の960時間を超えてしまいます。

あらためて、区分による年間の上限は以下のとおりです。

  • A水準:960時間
  • B水準・C水準:1,860時間

とくに複数の医療機関で働こうと計画している場合、それぞれの勤務時間をいつでも把握できる仕組みづくりをおすすめします。たとえば、勤務記録アプリや簡単なエクセルシートを使い、稼働時間を後から見返せるようにしておくと効率的です。

働き方改革の概要から確認したい方は、関連コラムで解説しているため、あわせてご覧ください。

ポイント2.勤務先の就業規則

勤務先の就業規則に「副業禁止」の規定がないかは必ず確認しましょう。副業が禁止されているにもかかわらず行ってしまった場合、職務規定違反に該当します。始末書の提出や懲戒処分、減給などなんらかの処罰の対象となる可能性があるためです。

また、就業規則から派生した別の規定が設けられている場合も少なくありません。面倒であっても上司や人事部門に事実確認をとり、透明性を保つのが最良の選択です。

副業収入の経費精算方法

副業で得た収入から経費を差し引いた金額(所得)が20万円以上の場合、確定申告が必要です。

申告を怠ったり遅れたりすると、本来払うべき税金に加えて延滞税や過少申告加算税などが課される追徴課税の対象となる可能性があります。

確定申告の手続きは面倒に感じるかもしれませんが、効率化できる方法は複数あります。たとえば、確定申告までワンストップで管理できるスマートフォンアプリを利用すれば経費計算が簡単です。領収書をスマートフォンで撮影するだけで自動的に記録され、確定申告書類の作成まで支援してくれるサービスもあります。

また、副業収入が多い場合は、費用対効果を考慮して税理士に依頼するのも選択肢の1つです。税理士に依頼すれば、節税対策のアドバイスも受けられます。

なお、国税庁が提供しているe-Taxを使えば、自宅や勤務先など都合のよい場所・時間で手続きができるため、手間を減らせます。

副業ができない場合の対応策

副業が制限される場合、節税による資産形成の工夫や病院で経験を積みながら理想とする医療を実現する開業の選択肢もあります。

なお、キャリアの選択について解説したセミナーを用意しています。以下より無料で視聴できるため、ぜひお役立てください。

セミナーはこちらから:これからの医師のキャリア選択と開業の選択肢

所得控除を活用する

高所得者に属する傾向のある医師こそ、節税対策による効果は大きいものがあります。所得税は累進課税制度のため、年収が高くなるほど税率も上がります。よって、適切な所得控除を活用すれば手取りの増額が可能です。

所得控除は複数あるため、まずは自分に当てはまるもの1つから始めるとよいでしょう。具体的な所得控除は以下のとおりです。

  • 配偶者控除・配偶者特別控除:配偶者の年収に応じて適用
  • 扶養控除:扶養家族(配偶者を除く)がいる場合に適用
  • 社会保険料控除:支払った社会保険料の全額が対象
  • 生命保険料控除:生命保険や個人年金保険に対する控除
  • 地震保険料控除:地震保険料に対する控除
  • 小規模企業共済等掛金控除:支払った全額が対象
  • 医療費控除:年間の医療費が一定額を超えた場合に適用
  • 寄付金控除:ふるさと納税などの寄付金に対する控除

開業する

副業ができない場合、思い切って開業するのも1つの選択肢です。現在の勤務先を完全に辞めずに、週に数日だけ診療するクリニックを開業している医師も多数います。

また、開業すれば医業所得として計上できる範囲が広がり、結果的に節税効果も期待できます。初期投資を抑えたい場合は、医療モールでの開業や承継なども候補となるでしょう。

開業に関する詳しい内容は、関連記事や特集ページが参考になるため、ぜひご覧ください。

関連記事:医師の開業は成功可能性大!知っておくべき準備と対策

特集ページ:クリニック開業ガイド

副業から開業へ展開する際はウィーメックスまで

副業の選択肢の1つとして、開業する医師は少なくありません。副業として他院で勤務する経験を積むうちに自分の理想とする医療を実現したい思いが強くなり、開業を決意するケースが挙げられます。また、副業収入を開業資金として貯蓄し、計画的に独立へと進む医師もいます。

開業するには資金計画や物件選び、医療機器の選定、スタッフの採用など多くの準備が必要になるため、正しい情報とサポートも大切です。経験豊富な専門家のサポートを受ければ、リスクを最小限に抑えながらスムーズに開業準備を進められます。

ウィーメックスでは、物件探しから資金調達、開業後の経営支援まで開業のあらゆる段階で専門スタッフがサポートします。

副業から開業への展開を検討されている方は、ぜひお気軽に以下よりお問い合わせください。

開業相談フォームはこちら:新規開業・事業承継・M&A等に関するお問い合わせ

医師の副業に関するQ&A

ここでは、よくある質問について解説します。副業を検討している医師方は、参考になさってください。

「医師」の肩書は使っても大丈夫?

基本的に医師であることは信頼性の向上につながるため、副業でもプラスに働きます。

たとえば、記事監修や講演活動では、医師の肩書があれば専門性が明確になり、依頼者からの信頼を得やすくなります。

ただし、勤務先が掲載されることに不安を感じる場合は、勤務先の人事担当者に事前に確認しておいたほうがよいでしょう。医療機関によっては、所属を公表する際にルールを設けている場合があります。

医師資格を使用すること自体に問題はありませんが、勤務先との関係性を良好に保つための配慮が大切です。

YouTubeやブログは副業扱いになる?

収益が発生する場合は、副業扱いです。趣味として情報発信するだけであれば問題ありませんが、広告収入や商品販売による収益が生じる場合は副業に該当します。

収益化の条件は以下のとおりです。

  • YouTube:チャンネル登録者数が500人以上などの条件を満たし申請
  • ブログ:アフィリエイトやGoogleアドセンス(広告収入)への登録・販売

情報発信する際は正しい情報を発信するのはもちろん、勤務先に確認をとっておいたほうがよいでしょう。

まとめ

医師の副業は労働時間の上限を遵守し、勤務先の就業規則に違反しなければ問題ありません。選択肢は豊富にあるため、ご自身に合う副業はどれなのかトライアンドエラーでチャレンジするのもよい経験になります。

副業を始める前には、自分が該当する時間外労働の区分を確認し、勤務先の就業規則をしっかり確認するのが大切です。副業ができない場合でも、所得控除を活用した節税対策や開業で可能性を広げられます。

医師としてのキャリアをより充実させるため、まずは現在のライフスタイルに合った副業から始めてみてはいかがでしょうか。

著者情報

武田 直也 様

フリーランスWebライター。18年間、医療事務として合計3つの医療機関に従事。診療報酬をはじめ、診療情報管理士の資格を活かしたカルテ監査やDPCデータ分析、クリニカルパスなどの医療情報利活用に精通している。

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