目次
レセプトチェックとは?
レセプトチェックとは、診療内容が診療報酬明細書(レセプト)に正しく反映されているかを確認する作業です。具体的には、投薬内容と病名の整合性や、算定した診療報酬がルールに基づいているかなどを確認します。
たとえば、高血圧の病名がないのに降圧剤を処方している場合や、同一日に算定できない処置を重複して請求している場合などです。
算定漏れや誤算定があると返戻や査定の対象となり、修正作業が発生する分、収入が遅れてしまいます。よって、レセプト提出前にどれだけ負担なく正確なレセプトを作成できるかがクリニック経営におけるポイントといえます。

レセプトチェックの主要3ポイント
ここからは、レセプトチェックにおける主要3ポイントを解説します。ポイントをおさえれば、返戻や査定を大幅に減らせます。なお、チェック項目は細かく多岐にわたるため、すべてを漏れなく把握するのは容易ではありません。
手元に置いておける無料のお役立ち資料をご用意していますので、ぜひご活用ください。
ダウンロードはこちらから:レセプト請求ガイド 返戻・査定を減らすためのレセプト請求の攻略
ポイント1.病名が正しいか
レセプトに記載されている傷病名が適切かどうかは、チェックの一丁目一番地です。具体的には、主病名が正しく設定されているか、傷病名コード表の標準名が使用されているか、不要な疑い病名が残っていないかなどをチェックします。
たとえば、投薬や処置を行っているにもかかわらず、対応する病名が記載されていない場合は査定対象となります。また、転帰が「治癒」となった病名を削除し忘れていると、不要な病名として高確率で指摘されるでしょう。
診療内容と整合性の取れた病名管理が、正確なレセプト作成の基本となります。
ポイント2.診療内容は妥当か
初・再診料や薬剤名、検査などの算定日や算定回数、数量が保険診療のルールに基づいて正しく記載されているかを確認します。
たとえば、同一日に算定できない項目を請求していないか、年齢や性別による算定制限を守っているかなどが挙げられます。
なお、特殊な治療や高額な薬剤を使用した場合などは、症状詳記による補足説明が必要です。請求内容が妥当と判断されるように、根拠を持って整理しなければなりません。
ポイント3.診療実日数は正確か
意外と見落としがちなのが、診療実日数が正しくカウントされているかです。同一日に初診と再診の両方がある場合は1日とカウントし、同日に複数の診療科を受診した場合も1日として扱います。
たとえば、内科と整形外科を同じ日に受診した患者さんの実日数を2日と計算すると誤りになります。電話再診やオンライン診療の日数が正確に反映されているかも気に掛けるべきポイントです。
レセプトチェックソフトの機能3選
ここでは、レセプトチェックソフト「べてらん君」の機能を例に、主な機能を3つ紹介します。レセプト業務の負担を軽減しながら、精度の高いレセプト作成をサポートするソフトです。製品の詳細な機能については、製品ページをご確認ください。
機能1.自動チェック
1日単位でのレセプトチェックや、退勤後の時間帯に自動でチェックを実行する機能です。たとえば、診療が終了した夜間にシステムが自動的にチェックを行うため、翌朝には結果を確認できます。

参考:レセプト院内審査支援システムべてらん君collaboration Plus(https://www.phchd.com/jp/medicom/veteran-collabo-plus)
チェック作業の残業が不要・削減できるため、スタッフの働き方改善にも効果的です。自動化により、限られた人員でも効率的にレセプト業務を進められる体制が整います。
機能2.査定・返戻対策
目視では見落としやすいエラーを自動的に検出する機能です。たとえば、病名と処方薬の不整合や、算定ルール違反などの発見に役立ちます。
チェック結果を集計すれば、自院で発生しやすいエラーパターンや査定傾向の把握が可能です。過去の査定データを分析すればどの診療行為で査定されやすいかが明確になり、事前の対策を講じられます。
機能3.画面上で確認・修正
チェック結果を画面上で直接確認し、修正できる機能です。従来のように紙に印刷してチェックし、修正内容を別途入力する必要がありません
印刷に必要な用紙代や印刷時間が不要になるため、コスト削減と業務効率化の両方を実現できます。また、ペーパーレス化によりレセプトの保管スペース削減や書類管理の手間も省けます。
電子カルテに搭載されたAIレセチェックとは
電子カルテに搭載されたAIレセチェックとは、カルテに入力された診療内容をもとに、自動的に算定可能な診療報酬を算定する機能です。
従来は、担当スタッフがカルテの内容を見ながら、手作業で会計システムに反映算定情報を反映させるパターンが通例でした。AIのチェックでは、診療内容から適切な診療報酬項目を提案します。
たとえば、処方内容や検査項目から算定可能な項目を自動的に抽出し、算定漏れを防ぐイメージです。AIによるレセプトチェックには、業務効率化や人材不足の解消などさまざまなメリットがあるため、次の章で詳しく解説します。
AIによるレセプトチェックのメリット
AIによるレセプトチェックの最大のメリットは、レセプトの知識が豊富なスタッフがいない医療機関でも、正確なレセプト作成が可能になる点です。
新人スタッフでもAIのサポートにより、複雑な算定ルールに対応できます。レセプトチェックに要する時間を大幅に短縮できるため、スタッフは患者さんの対応や予約管理などの業務に時間を割けるようになります。
ウィーメックスでは、AIレセプトチェックに対応した製品の1つとして「Medicom クラウドカルテ」を提供しています。詳しい機能や導入メリットについては、製品ページをご覧ください。
クリニック向けクラウド型電子カルテシステム Medicom クラウドカルテ
レセプト審査にもAIが実装されている
レセプト審査の現場でも、AI技術の活用が進んでいます。審査支払機関では、膨大な数のレセプトを効率的かつ正確に審査するため、2021年からAIによるレセプト振分機能が導入されています。
レセプト振分機能とは、審査を必要とするレセプトかどうかを自動化するものです。審査員が見るべきレセプトの振分作業の負担が軽減されるほか、学習データの更新による精度向上も図られています。
医療機関側としても、審査側でAIが活用されている状況を理解しなければなりません。なぜなら、AIによる審査では、人の目では追いきれない微細なルール検出できるようになっているためです。より精緻な審査が実施されている状況を踏まえると、提出前のレセプトチェックをより厳密なものにする必要があるといえるでしょう。
まとめ
レセプトチェックは、診療内容が正しく診療報酬明細書に反映されているかを確認する重要な業務です。レセプトチェックソフトを活用すれば、自動チェックや査定対策など、効率的な業務体制を構築できます。
さらに、電子カルテに搭載されたAIレセチェックを導入すれば、算定漏れの防止や業務時間の短縮も見込めます。審査支払機関でもAIが活用される時代において、医療機関側もITやDXを取り入れた体制整備が求められる時代といえるでしょう。
まずは、AIチェック機能を持つ電子カルテやレセプトチェックシステムの情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
ウィーメックスでは、クリニック向けに多くの製品をラインナップしております。以下のページもぜひ参考になさってください。
クリニック向け製品一覧
著者情報
メディコム 人気の記事
イベント・セミナーEVENT&SEMINAR
お役立ち資料ダウンロード
-
電子カルテ 医師 事務長
導入してわかった!開業医が語る、電子カルテ選びの“本音”
-
電子カルテ 医師 事務長
在宅医療成功の鍵 医療コンサルが語るカルテ選び5つの極意
-
クリニック経営 医師 事務長
課税所得2,000万円が分岐点? 医療法人化の判断ガイド
-
クリニック経営 医師 事務長
データに基づくかかりつけ患者増加のための実践ガイド
-
クリニック経営 医師 事務長
レセプト請求ガイド 返戻・査定を減らすためのレセプト請求の攻略
-
電子カルテ 医師 事務長
医療DX令和ビジョン2030に向けて自身に合った電子カルテの選び方
-
クリニック経営 医師 事務長
事例から見る「トラブルを少なくする労務管理のコツ」
-
電子カルテ 医師 事務長
開業医が「ラク」になる、電子カルテ選定5つのポイント

