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診療報酬・調剤報酬 薬剤師 薬局経営者 2026.08.10 公開

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【2026年最新】特定薬剤管理指導加算3とは?点数や算定要件をわかりやすく解説

薬局に勤務する薬剤師は、調剤報酬のうち技術料に関する点数について理解しておくことが重要です。特に、2026年度(令和8年度)調剤報酬改定では、特定薬剤管理指導加算3のロについて、算定対象が拡大されました。本稿では、2026年度改定のポイントを踏まえ、特定薬剤管理指導加算3の点数や算定要件、加算1・2との違いについて解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

#医療政策

目次

特定薬剤管理指導加算3とは?

特定薬剤管理指導加算とは、薬剤師が医薬品の適正使用に関する安全管理および服薬指導等を行うと算定できる点数です。2024年度(令和6年度)調剤報酬改定では、特定薬剤管理指導の加算が3つに分類され、2026年度改定でもこの3区分は維持されています。

このうち特定薬剤管理指導加算3は、2024年度改定で新設された加算です。従前の管理や指導に加え、薬剤師が患者さんに対して重点的な服薬指導を必要と認め、必要な説明および指導を行った場合に算定できます。算定回数は原則として、患者1人あたり最初に処方された1回分のみです。

特定薬剤管理指導加算3とは?
出典:調剤報酬点数表に関する事項(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713883.pdf

2026年度改定におけるポイント

特定薬剤管理指導加算は、2024年度改定で大きく見直されました。従来の加算1(ハイリスク薬の指導)と加算2(抗悪性腫瘍剤に係る薬学的管理)の2区分に、加算3が新設され、現在の3区分となっています。

2026年度改定では、この3区分の枠組みは維持されたうえで、加算3のロの算定対象が拡大されました。具体的な変更点は以下の2点です。

  • バイオ後続品の品質・有効性・安全性等に関する説明を評価対象に追加
  • 長期収載品の選定療養の見直し(患者負担が差額の4分の1から2分の1へ変更)に伴う再度の説明も算定可能に

変更点の詳細は、後述の「特定薬剤管理指導加算3の点数と算定要件」で解説します。

出典:令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf
疑義解釈資料の送付について(その2)(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001689076.pdf

特定薬剤管理指導加算1および2との違い

前述の通り、特定薬剤管理指導加算には3つの区分があります。ここでは、加算1および2について解説します。

特定薬剤管理指導加算1は、ハイリスク薬と呼ばれる医薬品の安全管理や服薬指導を評価する加算です。通常の服薬指導に加え、処方された薬剤が特に安全管理が必要な医薬品である旨を伝えたうえで、適切な指導を行った場合に算定できます。算定できるのは、ハイリスク薬が新たに処方された場合(1のイ)と、用法・用量の変更や副作用の発現状況などに基づき薬剤師が必要と認めて指導を行った場合(1のロ)です。

対象となる「特に安全管理が必要な医薬品」の範囲を定めているのが、厚生労働省の通知(調剤報酬点数表に関する事項)です。通知では薬効群として示されており、具体的な品目は厚生労働省の診療報酬情報提供サービスでも確認できます。また同通知には、日本薬剤師会の「薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン」等を参照し、薬学的管理および指導を行ううえで必要な情報を事前に収集することが望ましい、との記載もあります。

同ガイドラインの最新版は、令和8年6月に公表された第2.1版です。薬局が取り扱うハイリスク薬を3つの分類で整理し、薬効群ごとに指導時の確認事項を示しているため、指導内容を組み立てる際の参考になるでしょう。ただし、同ガイドラインにも明記されているとおり、ここでいうハイリスク薬の範囲は特定薬剤管理指導加算の対象薬剤と必ずしも同一ではなく、加算の対象外となる薬剤も含まれる点には注意が必要です。

特定薬剤管理指導加算2は、抗悪性腫瘍剤によるがん治療に係る薬学的管理を評価する加算です。算定対象は、連携充実加算を届け出ている医療機関で抗悪性腫瘍剤を注射されている悪性腫瘍の患者さんです。当該患者に薬剤師が抗悪性腫瘍剤や制吐剤などを調剤し、以下のすべてを実施した場合に算定できます。

  • 患者のレジメン(治療内容)や検査値などの確認と必要な薬学的管理・指導
  • 電話などによる服薬状況や副作用が疑われる症状などの確認
  • 確認結果を踏まえた、医療機関への文書による情報提供

ここまでの加算1および2の内容を、以下の表に整理しました。

特定薬剤管理指導 点数 算定要件 算定回数 施設基準 保険医療機関へ文書による情報提供
1のイ 10点 新規のハイリスク薬 処方箋受付回数につき1回 なし なし
1のロ 5点 用法用量の変更、副作用の発現状況など必要と判断したとき
2 100点 抗悪性腫瘍剤治療に関連した業務を行った場合 患者1人につき月1回 あり あり
出典:調剤報酬点数表に関する事項(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713883.pdf
薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン(第2.1版)(日本薬剤師会)
https://www.nichiyaku.or.jp/files/co/pharmacy-info/high_risk_guideline_2.1.pdf
『医薬品の安全使用のための業務手順書』作成マニュアル(平成30年改訂版)(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000903657.pdf

特定薬剤管理指導加算3の点数と算定要件

特定薬剤管理指導加算3の点数と算定要件

2026年度改定では、特定薬剤管理指導加算3の点数は据え置かれた一方、「ロ」の算定対象が拡大されました。ここでは最新の点数と算定要件を解説します。

点数

「イ」 5点/回
「ロ」 10点/回

特定薬剤管理指導加算3には「イ」と「ロ」の2区分があり、点数は「イ」が5点/回、「ロ」が10点/回です。「イ」と「ロ」では対象となる医薬品や説明を行う場面が異なるため、区分ごとの算定要件を理解しておくことが重要です。なお、2026年度改定では、「イ」と「ロ」とも点数は据え置かれています。

算定要件

特定薬剤管理指導加算3の算定要件は「イ」と「ロ」の2つに分かれています。

1つ目の「イ」は、患者さん向けの医薬品リスク管理計画(RMP)の策定が義務付けられている医薬品が、初めて処方されたときに算定できます。また、既に使用している医薬品に緊急安全性情報(イエローレター)や安全性速報(ブルーレター)が新たに発出された場合も対象です。いずれも、薬剤師が適正使用や安全性に関する十分な指導を行うことが要件となります。

2つ目の「ロ」は、調剤前に医薬品の選択に関する情報が特に必要な患者さんに対して、説明および指導を行った場合に算定できる加算です。具体的には、後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)を選択する、選定療養の対象となる患者さんへの説明が該当します。また、医薬品の供給が不安定なため、前回調剤された医薬品から変更した薬の交付が必要となる患者さんに説明を行った場合も含まれます。

さらに2026年度改定では、バイオ後続品の品質・有効性・安全性等に関する説明も対象に加わりました。

特定薬剤管理指導 点数 算定要件 算定回数 施設基準 保険医療機関へ文書による情報提供
3のイ 5点 以下のいずれかに基づき、十分な指導を行ったケース
・医薬品リスク管理計画(RMP)に基づく患者向け資材
・緊急安全性情報(イエローレター)
・安全性速報(ブルーレター)
患者1人につき当該医薬品が最初に処方されたとき1回のみ なし なし
3のロ 10点 調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に説明・指導したケース(例)
・長期収載品の選定療養の対象となる場合
・供給不安定に伴い、前回調剤された医薬品からの変更が必要な場合
・バイオ後続品の品質・有効性・安全性等の説明を行った場合【2026年度改定で追加】
なし なし

2026年度改定で「ロ」に追加されたバイオ後続品に関する説明は、バイオ医薬品が一般名で処方された場合、またはバイオ後続品が銘柄名で処方された場合に算定の対象となります(バイオ先行品の銘柄名処方は対象外)。

また、2026年6月から長期収載品の選定療養の患者負担が、先発医薬品と後発医薬品の差額の4分の1から2分の1へ変更されました。これに伴い、過去に「ロ」を算定した患者さんでも、自己負担額が変わる場合に再度説明を行えば、改めて算定できます。

なお、供給不安定により必要な数量を確保できなかった場合は、その薬剤名をレセプト(調剤報酬明細書)の摘要欄に記載することで初めて算定可能です。ただし、複数の項目に該当しても、重複して算定できない点に注意しましょう。

出典:調剤報酬点数表に関する事項(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713883.pdf
令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf
疑義解釈資料の送付について(その2)(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001689076.pdf

算定上の注意点

特定薬剤管理指導加算3を算定するうえで注意すべきなのが、「イ」と「ロ」を同時に算定できるかどうかという点です。ここでは3つのケースに分けて解説します。

ケース①:医薬品Aが「イ」の対象(RMP対象医薬品など)、医薬品Bが選定療養の対象となる場合

この場合、医薬品Aに対して十分な指導を行えば「イ」を算定できます。医薬品Bに対しては、選定療養の説明を行い、患者さんの意思で医薬品を選択すれば「ロ」を算定できます。つまり同じ処方箋内でも、別々の医薬品に対してそれぞれの算定要件を満たす説明・指導を行えば、「イ」と「ロ」を同時に算定可能です。

ケース②:医薬品Cが「イ」の対象(RMP対象医薬品など)であり、選定療養の対象にも該当する場合

この場合、まず医薬品Cについて「イ」の要件を満たす十分な指導を行います。そのうえで選定療養に関する説明を行い、患者さんの意思で医薬品を選択すれば、「イ」と「ロ」の両方を算定できます。

ケース③:選定療養の説明を受けて、患者さんが先発医薬品の希望を取り消し、後発医薬品を選び直した場合

患者さんの希望により後発医薬品から先発医薬品へ変更しましたが、服薬指導中に患者さんが後発医薬品を選び直すケースです。着目したいのは、選定療養の説明をきっかけに、患者さんの意思で医薬品の変更があったという点です。

先発医薬品から後発医薬品へ、あるいは後発医薬品から先発医薬品へのどちらの変更でも、薬剤師の説明を受けて患者さんの意思で選択すれば、「ロ」を算定できます。

特定薬剤管理指導加算3のイとロを同時に算定できるかどうかは、処方箋の内容と患者さんの選択によって判断が分かれます。服薬指導の前に処方箋を確認し、どのケースに当てはまるのかを判断しましょう。ケース③のような事例も知っておくと、算定漏れの防止に役立ちます。

出典:疑義解釈資料の送付について(その1)(令和6年3月28日)(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001237675.pdf
疑義解釈資料の送付について(その8)(令和6年6月18日)(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001265536.pdf
長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1)(令和6年7月12日)(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001275325.pdf

RMPとは

ここでは、特定薬剤管理指導加算3の算定要件に含まれる医薬品リスク管理計画(RMP)について説明します。

RMPは、医薬品の開発段階から市販後までに起こり得るリスクを適切に管理するために、製薬企業が作成する文書です。RMPが策定されている医薬品には、患者さん向けの資材が用意されており、薬局ではこの資材を服薬指導に活用します。

薬剤師がRMPの資材を用いて指導を行う目的は、副作用リスクの低減と、適正使用による効果の確認です。RMPに基づく指導は、患者さんに安全に使用してもらうための情報提供です。同時に、効果がきちんと出ているか、気になる症状がないかを患者さんから薬剤師へ伝えてもらうきっかけにもなります。

特に高齢者や小児など、開発時点では十分なデータが得られていない対象者については、RMPの資材を用いた説明が求められる場合があります。

RMPが策定された医薬品は薬剤師と患者さんが情報を伝え合いながら使う薬とイメージするとわかりやすいでしょう。薬剤師は服薬指導のたびに状況を聞き取るため、患者さんに気になることがあれば遠慮なく伝えてもらうよう案内してください。

出典:医薬品リスク管理計画(RMP:Risk Management Plan)(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/items-information/rmp/0002.html

RMP資材の確認方法について

RMPおよび患者向け資材は、PMDAのウェブサイトで確認できます。閲覧方法は以下の2通りです。

【方法1】「RMP提出品目一覧」から該当医薬品を探す

PMDAウェブサイトの「RMP提出品目一覧」から、該当医薬品のRMPを探す
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/items-information/rmp/0001.html

【方法2】「添付文書等情報検索」から該当医薬品を検索する

PMDAウェブサイトの「医療用医薬品 添付文書等情報検索」で医薬品名を検索し、該当医薬品のページからRMPを閲覧する
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/

まとめ

本稿では、2026年度改定のポイントを踏まえ、特定薬剤管理指導加算3の点数や算定要件、加算1・2との違いについて解説しました。今回の改定では、加算3のロの算定対象が拡大され、バイオ後続品に関する説明や、長期収載品の選定療養の見直しに伴う再度の説明も評価されるようになりました。算定の機会が広がる一方、薬剤師には指導内容の適切な記録と、算定要件の正確な理解がこれまで以上に求められます。

「PharnesX-MX」は、幅広い処方監査チェックシステムを標準装備しており、選定療養に関する指導やRMP指導実績の記録メモを追加することが可能です。処方監査や薬歴記録の手間を削減し、適切な加算取得をするために、「PharnesX-MX」による業務効率化をご検討ください。

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著者情報

飯田 慎也 様

飯田 慎也 様

調剤薬局チェーンで11年間勤務している現役薬剤師。医学博士。
「難しい医療情報をわかりやすく」をモットーに、現在は医療・美容・健康分野を中心にコラムを作成。現場で培った患者対応の経験と、博士課程で磨いたリサーチ力を掛け合わせ、信頼できる情報発信を行っている。
著書『薬局DX―業界標準の指南書』(秀和システム新社、共著)

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