PHCグループは、「わたしたちは、たゆみない努力で健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し 豊かな社会づくりに貢献します」という経営理念のもと、ヘルスケア分野における製品とサービスを提供しています。当社グループは、事業活動を通じて関わる全てのステークホルダーの人権を尊重することを、企業としての重要な責任と考えており、持続可能で公平な社会の実現に貢献することを目指しています。
基本的な考え方
当社グループは、国際人権章典、ILO中核的労働基準、「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)」、OECD多国籍企業行動指針及びOECD・デュー・ディリジェンス・ガイダンスなど、国際的に認められた人権に関する規範を支持・尊重することを基本としています。2025年には、人権デュー・デリジェンスプロジェクトの開始にあわせ、外部専門家の助言を得ながら、取締役会の承認を経て改訂された人権方針では、以下の点を改訂・追加しました。
- 国際基準への支持を改めて明確化
- 人権デュー・デリジェンスの取り組みの明確化
- バリューチェーン上のビジネスパートナーに対する人権尊重の期待を明記
本方針は、PHCグループ全社に適用されるとともに、サプライヤーをはじめとするビジネスパートナーにも、その遵守と協力を期待しています。
人権デュー・デリジェンス
2025年度は、UNGPs及びOECD・デュー・ディリジェンス・ガイダンスを参照し、当社グループのバリューチェーン全体を対象とした人権リスクの初期評価を実施しました。具体的には、以下の3つのアプローチを組み合わせて、潜在的な人権リスクを抽出・評価しました。
- 社内ステークホルダーへのアンケート(人事、調達、人権、リスク管理等の関連部門)
- 外部専門家へのヒアリング(ESGリスク評価会社、医療機器分野のNGO等)
- 公開情報・メディア情報の分析
これらの結果をもとに、バリューチェーン上の発生箇所と深刻度(高・中・低)を評価し、人権リスクマップを作成しました。本評価により、当社グループの人権リスクの全体像が初めて構造的に整理され、特に以下の領域で顕在化リスクが高いことが確認されました。
- バリューチェーン上流(調達・原料)に関するリスク
- ヘルスケア企業に特有の患者・被験者などのステークホルダーに関わるリスク
これらを踏まえ、PHCグループとして今後優先的に取り組むべき重点テーマを特定しました。
PHCグループが優先的に取り組む重点テーマ
| 取り組み領域 |
主な関連ステークホルダー |
主なリスクカテゴリー |
| 製造拠点の衛生・地域住民 |
工場労働者、地域住民 |
安全衛生、土地の権利、水汚染 |
| 顧客・臨床試験参加者 |
患者、臨床試験参加者 |
安全、プライバシー、インフォームド・コンセント |
| 高リスク資材の調達 |
採掘労働者、地域住民 |
強制労働、紛争鉱物 |
| 外国人労働者 |
技能実習生、外国人労働者 |
労働条件、賃金、安全 |
| 倉庫・物流の労働者 |
倉庫作業者、配送員 |
長時間労働、労務管理、賃金 |
2026年度以降は、これらの重点テーマを軸に、グループ会社及びビジネスパートナーを対象としたリスクスクリーニング、自己評価アンケート(SAQ)、高リスク領域へのモニタリング、人権デュー・デリジェンス運用マニュアルの整備を順次進めます。併せて、ビジネスパートナーへの期待事項を明確化する第三者行動規範を2026年度に策定しました。
是正・救済
当社グループは、従業員が人権を含むコンプライアンス上の懸念を通報できる仕組みとして、PHCグループ コンプライアンスヘルプラインを運用しています。通報窓口には、直属の上司、人事部門、法務・コンプライアンス部門、当社グループ CEOまたは執行役員、監査役会メンバーに加え、外部通報窓口も設置し、匿名性と通報者保護を確保しています。
<報告・相談する窓口>
- 直属の上司
- 近くの職場の責任者
- 人事部門
- 法務・コンプライアンス部門
- PHCグループ CEOまたは執行役員
- PHCグループ 監査役会メンバー
- 通報窓口 ヘルプライン
今後の取り組み
人権への取り組みに「完了」はありません。当社グループは、ステークホルダーとの対話を継続しながら、グローバルヘルスケアを担う企業として、人々の健康と尊厳に対する責任を果たし、持続的な改善を重ねていきます。