統合報告書 2025

Sustainability:顧客・市場製品の安全性と品質・コンプライアンスへの責任

PHCグループでは、「品質が企業価値を創り、持続的な成長の基盤となる」という考えのもと、人々の安全と健康を守ることを最重要事項と位置付けています。私たちが考える「品質」とは、関わるすべての人の想いや努力、そして精緻な技術が結集し、お客さまにとって安全・安心で信頼できる製品・サービスとして具体化されたものであり、それが企業の信頼と成長を支えると考えています。この考え方を基盤に、グローバル基準に基づく厳格な安全・品質管理体制を構築しています。企画段階からの製品リスクマネジメント、法規制対応(含有化学物質管理など)、サプライヤー管理に至るまで、製品ライフサイクル全体を通じた品質保証に取り組んでいます。また、全社横断的な品質向上テーマの推進や、持続的に改善を生み出す品質マネジメントシステム(QMS)の運用を継続しています。
私たちは以下の3つを重点項目とし、品質を通じた社会的責任の遂行と、グループ全体での信頼性向上を目指しています。

「お客さま起点」の製品サービスづくり

「品質は、お客さまの期待を超える価値として現れるべきもの」という信念のもと、製品・サービスの企画・設計から販売・サポートに至るまで、顧客視点を基軸にした改善活動を展開しています。お客さまとの対話を通じて得られたフィードバック(VOC: Voice of Customer)を、全社で共有・展開できる体制を整備し、製品やサービスへの的確な反映を行っています。今後も、お客さまとともに品質を創る姿勢を大切にしながら、企業としての信頼性と社会的責任をより高いレベルで果たしてまいります。

安全性最優先の意識と実践

「安全性最優先」をすべての品質活動の基本姿勢とし、従業員一人ひとりが安全を起点に考え行動する企業風土の醸成に取り組んでいます。品質レビュー会議や教育プログラムを通じて、意識の浸透と行動の定着を推進し、製品開発の初期段階からリスクマネジメントを徹底することで、安全リスクの未然防止と設計段階での品質づくりを実現しています。また、重大なインシデント・不具合への対応では、迅速な情報共有と是正処置を実施するとともに、是正・予防措置(CAPA)を活用した原因分析と再発防止にも注力しています。これらの活動を通じて、社会やお客さまの信頼に応え続ける品質文化の確立を目指しています。

品質マネジメントシステムの推進

ISO 9001やISO 13485などの国際規格に基づく品質マネジメントシステム(QMS)を各事業に適用しています。法規制や各国の認証要件への対応に加え、品質の継続的な改善と顧客満足の向上に向けた体制を整えています。内部監査や是正・予防措置(CAPA)、教育訓練、力量管理といった仕組みにより、業務プロセスの確実な運用と改善サイクルの実践を図っています。今後も、全社共通の品質価値観のもと、信頼性と透明性の高い品質保証体制の強化を継続します。

社会要求と市場品質をつなぐマネジメントプロセス
社会要求と市場品質をつなぐマネジメントプロセス